夏の国

お題：激しい夏 制限時間：15分

夏の国

「ずいぶんと発散的な国ですね。あまり慣れてこない」

「それだけ平和というものだという」

「朝ごはんのメニューにコンドームがあるのはちょっと引くけど」

「何かあって妊娠したら困るからね」

「それだったら、性行為しなきゃいいだけじゃない？」

「まぁそうはいうけどね……」

「それとも街の至るところで行為が繰り広げられてる中、こうやって御飯食べるあたしたちはおかしいのかな？」

「別に国に合わせる必要はないとは思うよ」

「バックミュージックに喘ぎ声とか……」

「興奮した？」

「してないしてない。他人の行為であたし盛り上がらないもん」

「その割にコンドーム大事そうにしまったよね？」

「そ、それはそういうことがあるかもしれないし……」

「この街の人たちと？」

「ち、ちが……あ、あなたと」

「うん、知ってるよ」

「もう！　何へんなこというのよ！」

「あはは、ごめんごめん。せっかくの新婚旅行なのだから、なにか盛り上がるようなことがあればってね」

「なら、はやくこの国から離れたいかなぁ。性行為が毎秒見える場所なんて衛生的にあたしはきついから」

「明日の朝出発だからね。見たくなきゃルームにこもればいいと思う」

「あなたはどうするの？」

「せっかくだから名所巡りしようかなって？」

「う、浮気する気？」

「それはないかなぁ。僕は君以外とする気ないし、誘われても断るつもりだよ」

「童顔は大変だね」

「逆にそれで声がかかってこないかもしれない」

「でもさ、子どもっぽいこでもそうしてない？」

「見た目で判断するのははやいよ。もしかしたら、年長者かもしれない」

「う、うーん。そうかなぁ……」

「携帯電話もってくから、なにかあったらとか行きたくなったら連絡ちょうだいね」

「わかった」