第11話
「…ふむ、あなたはBランクと言う所かしら」
…な。
「び、Bランクって、そんな…」
「はい、これとこれ」
強引に二つの荷物を渡される。
何が入っているのやら。
とにかく、まぁ俺は普通だった訳だが。
ランク毎に人を分けて与えるものを変えるなんて。日本じゃ考えられないが。
まぁ異世界なら普通なのかもしれない。
ランク毎に人を分けると──
Cランク
くらいか。
次いでBランク。一番多い。
まぁ、俺達の学校は、田舎だったので、定数が非常に少なく、一クラスにだいたい二十人しかいないのだが。
Bランク
次。
Aランク。
なんと一人。
女子生徒。
印象は、ほぼないが。
うーん。
なぜ一人だけ?という疑問はあるがまぁ、良いか。
次。
Sランク。
そして。
ラスト。
SSランク。
ま、ランクをどういう基準でつけたかは知らないが、おそらく才能的なやつだろう。
今の実力が違うとは流石に思えないが。
「…このランク付けですが、既に今現在、ランクCとSでは天と地の差があります」
女神は、俺の心を見透かしたようにそう言った。
「…」
というか、今唐突に疑問に思ったことがある。
何故、言語が通じるのだろうか。
普通、通じなくないか?
「すみません、女神様、何故俺達は普通に会話が通じるのでしょうか?」
「…あぁ、それは私だけです」
「…え?」
「まず、わたくしはあなた方を召喚しました。あなた方はおそらく召喚のルールを分かっていないと思うので、説明しますが、そもそも召喚された者は召喚した者に
「あと一つの方?」
「ええ。えー、召喚のルールでですね、召喚した者と召喚された者は会話が通じるようになるのですよ」
気だるそうに女神は言う。
「なので、恐らく国外で話が通じる者はいません。頑張って言語を学んでください」
ーーー。
静寂。
なんだ、その絶望の追加情報は。
「質問は以上ですか?ならば、ここからはわたくしが話させてもらいますが…まず、あなたたちのこれからについてーー」
女神が、Cランクの方を向いて、ニィ、と微笑んだ。
◇
「くっ、失敗か…」
俺は…クソ。あぁ、面倒くさいな。
どこに飛ばされた?神殿…?
「犯罪者四人組は?」
「えっへへ、呼びました?ブラッド様…」
「はぁ」
いつ逃げ出すかわからんからな。
「しかし、面倒なことになったのは、事実であろう?」
最高位騎士のデレウスがそう言う。
「あぁ。異界召喚がかなってしまった。由々しき事態…っていうかうん。まぁ、面倒くさいことになった」
「ふーん。で、どーすんの?」
ぐ。
「どうする、か。とりあえず今から攻め込んでも恐らく返り討ちにあうだけだからな」
女神と熾天使それぞれ単騎ならば可能性はあったが…
「?というか
犯罪者四人組に聞く。
「いや、来ませんでしたぜぇ」
「
俺より少し背が低いくらいのアルペは、俺を見上げる形でそう言う。
「魔力の残滓から、どんな魔法が使われたかくらいなんとなく解るだろ?」
「えぇ、神話には聞いたことがあったけど、まさか実在するとはね」
「なんだ?」
「恐らく、Lv11魔法、
「…時間、停止?」
「えぇ、あと、あの王宮を囲っている光の柱のバリア。あれは、
人類の魔法限界値はLv7までと言われている。
ほか種族を含めていくと、魔法に長ける
これが、何故か、こと天使族、悪魔族、神族だけは
「とにかく、どうすんの?」
「また、立て直して攻め入るしかない。が、次は向こうも待ち構えているからな。正面切って挑めるくらいの戦力を整えないといけない…」
「ふーん、じゃあそれまでは、何が召喚されたかくらい拝みますかねェ?」
「…超強い猛獣とかだったりして…」
「可能性もなくはない。かの、
「たしかに私も
アルペがおぞましいという顔をする。
「まぁ、一旦戦力の補給の為に紅炎帝国に行こうと思うのだが」
「いいんじゃないか?」
デレウスが言うがーー
「少なくとも、何を召喚したか見てからにしない?もしかしたら女神がやられているかも」
「まぁ、特殊な事例だからありえるか」
「それに、帝国に行くということはこの国を一旦でも捨てるという事よ?」
一応は俺の生まれ育った故郷。
とはいえ。
「ふん。ここに大した思い出はない」
「あっそ!」
アルペは少し逆上して、どこかに行く。
「…」
そーいや。
アルペと、であったのは、いつだっただろうか。
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