【コラボ企画】ほのかとアズリアの魔術珍道中 ~生み出せスイカ!ナイスバディ魔法編~

お花畑ラブ子

第1話 生み出せ!!ナイスバディ!!

この物語は魔法少女ほのか/お花畑ラブ子 と

『忌み子』と言われ故郷を捨てた紅髪の女剣士アズリアの魔術文字(ルーン)探索記/灰さん 


の作品コラボです。コラボさせてくださった灰さんに深い感謝と謝罪をm(__)m

ごめんアズリアさん巻き込んじゃった☆てへ!!


『忌み子』と言われ故郷を捨てた紅髪の女剣士アズリアの魔術文字(ルーン)探索記は読みごたえのある本格ファンタジー作品です。ワイルド腹ペコアズリアお姉さんの活躍劇!!ぜひぜひ本編もご覧くださいませ!


 




 ほのかは悩んでいた。


 このほのかという微少女は日本の山間部に位置する破魔町の中学生である。いつもはポニーテールにしている彼女も今日は降ろしている。


 ほかの一般的な女子と違うのは、この町を守る魔法少女であるということである。


 やはり、魔法少女たるもの悩みは尽きぬようで、かれこれ小1時間近くああでもない、こうでもないと首をひねらせていたのだ。その真剣な表情は世界の平和とかそんな感じのことをうすぼんやりと考えているのだろうか。


「ほのかどうしたッキュか?そんな難しい顔をして、便秘ッキュか?」


「あ、ミッキュ?いや、別に。って、ちがうわい!」


 彼女に話しかけてきたのは緑色をした不思議な生物。一見するとかわいらしいマスコットではあるのだが、デリカシーとモラルと何か大事なものを忘れて生まれてきたらしい。


「はぁ、ちょっとね・・・」



「ふむっきゅ」


 ミッキュは遠い目をする相棒のほのかのあんにゅいな溜息が気になり、あたりの様子を見まわす。


 風呂上りのほのか。バスタオルを巻き付け、険しい表情で足元を見ている。

 足元には体重計。カレンダーには決戦の日まであと1日と書かれていた。


「あぁ・・・。身体測定っきゅね・・・。心配して損したッキュ。どうせ太ったっきゅね。あんだけ毎日毎日むしゃこら食ってたらそれは太るッキュよ」


「違うわよ!!違わないけど!!」


「じゃあ胸ッキュか?いい加減あきらめるッキュ。まな板はどんなに頑張ってもスイカやメロンにはなれないッキュ。住む次元が違うッキュ」


「殺すぞ」


 ほのかの血走った眼は、今まで退治してきたどんな魔物よりも恐ろしかった。


「そうだ!ねぇ!ミッキュうう?爆乳魔法とかないの?」


 甘えた声で妖精に話しかける。身体をくねらせていたが、新手の呪いにでもかかったのだろうか。


「ないっ。神聖な魔法少女の魔法を何だと思っているッキュか!」


「けち!!いいもん!!ミッキュが教えてくれないなら教えてくれる人を呼ぶもんね」


「魔法は、きゅねぇ。代々受け継がれてきた魔力と御神木の霊力が・・・って今なんて?」


「教えてくれる人を呼ぶんだから!さちよさんならいろんな魔法を知ってるでしょ!」


 洗濯物かごから杖を取り出して叫ぶ。さちよさんとは、凄腕の魔法使いでナイスバディの赤髪のお姉さんである。


記憶メモリー召喚サモン 我願う。我を助けしものをここに!我の胸部を大きくするものきたれり!いでよ!赤髪のナイスバディの魔法使いのお姉さん!!」


「ちょ、その魔法はもっと慎重に使うっきゅ!!」

 お風呂場が吹き飛んだかと思えるほどの閃光と爆音が鳴り響く。煙の中にゆらりと人影が見える。


「さっちよさ~ん!でっかいおっぱいどうしたらできるうううう、の!!」


 ほのかは両手をわきわきと動かして現れた女性の胸に突貫をしかける。


 が、ミシっという音が己の指からなり、激痛を発した。


「があああああ突き指いいいいい」


「ほのか大丈夫っきゅか??キュ?剣?」


 現れた女性が背負っていたのは巨大な大剣。背丈ほどもあるその大剣にほのかは突っ込んでしまったのだ。彼女は浅黒く日焼けしたような褐色の肌に、燃えるような深紅の髪。そして彼女の右手には、骨のついた巨大な肉の塊。予測していない展開ではあったが、持っていた肉を平らげて、話しかける。


「な、なんなんだ。あんたたちは。人の食事中に。あれ?アタシは酒場にいたよな。なんだここは、湯屋?」


 きょろきょろとあたりを見渡し、目を白黒させている少女とモンスターを見る。

「ん?誰だ?」


「えっと、お姉さんはどなたですか」


「え?」


「はい?」


 その後、互いに敵意がないことを示し、その女性にはその場でまってもらい。ほのかは着替えた。だれもいないことを確認して寮の談話室のテーブルにつく。幸い今日は休日で、みんなは町に出かけていた。ゆっくりと、ことの経緯を話す。


「・・・・アタシはそんなことのために世界を渡ってしまったのか」

「ほんとすみませんでした。アズリアさん」


 テーブルで頭を抱えるアズリアにほのかは頭を下げる。


「ああ、いいって。アタシも厄介ごとには慣れているし。とはいっても、こんな世界があるとは驚いた。で、アタシはどうすれば元の世界に戻れるんだ?」


「・・・わたしの胸をおおきくしてください」


「・・・はい?」


「アズリアさん・・・わたしの・・・むねを・・・おっきくしてください」


 顔を真っ赤にしてしゃべる女の子に対してアズリアを唖然としした。


「この召喚の魔法は目的が達成されるまでは召喚されたものは元の世界にもどれないっきゅ。ぐへへ」


 机の上の魔物が話しかける。人語を介する魔物とは、だが、敵意はなさそうだ。なさそうだが、なぜか目つきがいやらしい気がしてならない。


「胸を大きくねぇ・・・。こんなモンぶら下げてても肩は痛くなるし、剣をふるうのには邪魔だし、男の目線を下手に集めるだけだし、良いことなんて何にもないぞ」

 自身の胸を見ながら、アズリアは言ったが、ほのかは恨めし気な表情でつぶやくのだった。


「巨乳はッ・・・みなそう言う」


「目が怖いよあんた。ん~試してみるか」


「なにか手があるッキュか?」


「いや、アタシたちの世界には魔術文字ルーンっていうのがあってな。アタシが所持している魔術文字ルーンに水の精霊からもらったルーンがあるんだが。そのルーンがつかさどるのが、水と…女性なんだ。それで、このルーンを使ったらもしくはホノカの胸をどうにかできるんじゃないか」


 アズリアはそういうとほのかのバスタオルを剥ぐ。


「ちょぉ!?」


アズリアは自身の指を噛み、平然とほのかに指を這わせる。


「ちょ、やめ、あ、くすぐった、あん!」


血文字を書き込み、短く息を吐き、唱える。


「彼の者に、水霊の祝福を lagu《ラーグ》」


「ぬ!ぬぉおおおお!!!あついあつい!!」


 胸を苦しそうに抑えていたほのかだが、むくむくとほのかの胸部は大きくなっていく。まな板から茶碗に、そして、スイカサイズに。


「しゅ、収穫祭っきゅ~~~♡」


 飛び込んできた陰獣を回し蹴りで床に沈め、ほのかはアズリアにかけよる。


「アズリアおねえさまぁ!!!!ありがとうございます!!胸で!足元が!見えない!!!これが巨乳のみが!!見る世界!!!!!」


 ぶんぶんとされるがまま握手を受けるアズリアだったが、すこし、気まずそうにはなしかける。


「あの、よろこんでいるところ悪いんだが」


「いやっほおおおおおおおい!!みんなに見せつけてやろう!!!」


「いや、ホノカ。じつは。ってうわ!!」


 アズリアの声を遮るように、彼女の体が光に包まれる。


「アズリアおねえさま。この御恩!!!忘れません!!」


 きれいな敬礼をするほのかに、必死に重要なことを伝えようとするが、目の前の景色が暗転する。


「ホノカ!!この魔術文字は反動があって…って。あれ?」

 アズリアの目の前には見慣れた酒場の景色。あの不思議な世界は夢だったのだろうか。それにしても夢にしてはリアルだったような…。

「おまたせしました。角うさぎの串焼きです!!」

「おっ!待ってました」

 彼女は豪快に串焼きにかぶりつく。




「さて、ミッキュ!!みんなに見せつけにいこう!!そうしよう!!いますぐいこう!!」


「いくっきゅ!!!」


 この数分後、彼女の悲鳴が破魔町に響き渡るのは、言うまでもない。


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