第3話 まぁ、、、ね
(いやいやいや、一週間も待てないだろ。知らないとこだぞ!)
「ちなみに、その隣の町ってどんなとこなの?」
「あなた、ほんとに何も知らないのね。王都よ。聞いたことくらいあるでしょ。」
(えっ?ちょっと待って全然読めないんだけど。この国どうなってるの?なんでこんな小さな村の隣が王都なの?)
「もしかして、『王都』っていう町の名前ですか?というか、そうですよね、どうりで〜」
「もしかして王都も知らないのか。こりゃ呆れたもんだな。王都ってのは、、この国の中心だ。これでわかるかい?」
「はい。いや本当に王都だとは思わなくって。」
「このヒサカタ村はこの国の西の最果てだ。だから、周りには大したものはないし、一番近いとこってなると王都なんだよ。」
悠真は内心で落胆した。だが、その中で一つ大きな事を決めてしまっていたのだ。
「わかりました。じゃあ、僕歩いて行ってみます。王都に。確かに遠いけど、3日だったら行けない距離でもないし、それに道の途中で何かに出会えるかも知れないし。」
「本当かい?まぁ、行きたいなら止めやしないけど。でも、気をつけていくんだよ。」
「気をつけてって、別に大丈夫ですって。最悪何かあってもどうにかなりますよ。」
「そう言うんだったら良いけど。」
この時の悠真は決して慢心をしていた、というわけではない。そうただ自分の好きな異世界という世界観への羨望や期待などの感情が一度に湧き上がり、冷静さを欠いていただけなのだ。だがしかし、たったそれだけのことでこの後、とんでもなく不運な事態に見舞われることをまだ悠真は想像すらしてなかった。
「じゃあ、短い間だったけどありがとうございました。」
と、軽快な足取りでこうして悠真は不幸へ歩みだしていった。
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