第280話 怒りに身を任せ

「え?、急になに?」

 瑠愛は瑠衣の様子に戸惑っていた。


「早く行け!、戻れ!」

「な、なんで!?」

 瑠衣の猛攻が止まらない。

 怒りに身を任せて、バンバンと命令してくる。


「戻れ!、早く戻れ!、そして、振られろ♪」

「ふ、振られろって……もう答え分かってるでしょ?」

「分からないでしょ?……本人の口から聞いてないでしょ?」

「そ、そうだけど……」

「なら、戻るしかないじゃん!」

「え!?、ちょっ──」


 瑠衣は瑠愛の手を掴み、強引に斗真の部屋へと向かった。


「瑠衣、私は──」

「いいから、黙れよ、ツマラナクナル……会って振られろ!」

「え、えぇ!?」


 妹の考え読める瑠愛でも今の瑠衣の行動は理解不能だった。


(これで……いいんだ♪)

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