第273話 最初の気持ち

 揃ってすぐにに会話が勝手に始まり、二人は既に最初からバチバチだ


「瑠愛……まず斗真に謝りなさいよ?」

「る、瑠衣!?」

「怪我させたんだし、これくらいするのは当然でしょ?」


 会話の主導権は瑠衣が握っていた。


「……そうだよね……斗真、ごめんなさい」

「え!」

「!?、嘘?」


 瑠愛は深く頭を下げて謝ったきた。

 否定もせずに言葉を受け止め、そして、すんなりと行動した、その姿と態度は不信感を抱いてしまう程、素直なものだった。


 それに対して、なんて答えるのが正解なのかが分からなかった。


(…)


 悩みに悩んだが、いい返答は出て来ず。

 だから、斗真は謝罪を受けて一番最初に感じた気持ちを伝える事にした。


「……許さないよ」

「……え?」

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