第266話 それぞれの決意(1)【瑠衣】

「──って言う訳で斗真と瑠愛さんに会って欲しいの、いいかな?」

「……」

「無言って事はOKってことかな?」


 瑠衣は不服な顔だったが、対する余気魅も強い威圧感を放っていた。


「斗真には会いたいですけど、あの人には会いたくありません」

「何で?」

「斗真を傷付けたから……」

「ふーん」


 余気魅はその言葉を聞いた瞬間、今まで優しく接していた事に憤りを感じた。


「よく言うよ」

「え?」

「一番最初に斗真を傷付けたのは……瑠愛さんじゃなくて……アンタなのにさ」

「ど言うことですか?」


 瑠衣はその言葉の意味が分からなかった。


「アンタが斗真を振らなければ……こんな事件は起こらなかったのよ」

「え?、な、何言ってんですか?」


 パァン!


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