第249話 救いたいなら

「え?」

 軌道の言葉は響かなかった。

 その事にショックを受け、怒りは薄れ始めた。


「はぁ~先生、見損ないましたよ」

「……先生はもっとマシな人だと思っていました」


 二人は完全に呆れ、軌道に対して軽蔑する様な視線を向けた。


「何を言ってるの?」

「生徒会長にどんな辛い過去があっても……酷い目にあっていても……斗真を傷付けていい理由にはならない」

「……」

「まぁ私はあの人に手を出してしまったので、先生にとやかく言える立場ではありません……が、斗真を傷付けた事は許せません」


 二人の言葉に軌道は黙り込んでしまった。


「先生……生徒会長を助けたいなら、貴方が斗真と斗真の家族に謝罪して下さい」


 聡は真剣な声と表情でお願いした。


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