第248話 怒りの視線

「あなた達に何が分かるのよ、あの子はね、誰よりも辛い思いしたの!」


「「……」」


 軌道は我を忘れ、キレていた。


「親のせいで付き合っていた彼氏とも別れなくちゃいけなくなった……沢山悩んで……ようやく出来た新しい彼氏にも……過去の事が知られて……あの子は……あの子は報われないといけないの!!」

「……」


「だから、私はいけない事だと分かっても……協力した……瑠愛ちゃんは幸せにならないといけない……救われないと駄目なの!」


 軌道は怒鳴り声で協力した事、胸に秘めていた思いを打ち明けた。


「だから瑠愛ちゃんにした事は絶対に許さない」

 軌道は怒りの視線を二人に向けたが、二人は違っていた。


「「……それで?」」


 冷めていた。


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