第223話 綺麗と怒り

「………………………………」


 目の前に広がる光景に彼女はただ見惚れていた。


「…………」


 声も発さずにその光景を眺めているだけだった。


 顔は無表情のままで呼吸は荒く、瞳はうるうると歓喜の涙を流していた。


 その光景は何とも残酷で…夢の様だった。


「……斗…真……綺麗だ…よ、うん、最高に綺麗……よ」


 瑠愛はボソボソと愛を呟きながら、斗真に近ずいていく。


 そして、そっと手を差し伸べた。


「……私も行くから……ね、そっちに……」


 彼女が笑った次の瞬間だった───。











「……何してんの?」


「え?」


 突然の彼女の背後から声が聞こえた。


「な、何で……」


 彼女の背後には怒り狂った余気魅の姿画あった。


「あんた……斗真に……何しての!!!」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る