第209話 無計画

 昼休み終了のチャイムが校舎に鳴り響く。


 それは夢の世界から現実世界に無理矢理引き戻す力を持ち、幸せだったあの数分前を異常に恋しくさせる。


 そんなチャイムが数秒間鳴り続けた。


「昼休み終わったな………でこれからどうするんだ?」

「うーん、何する?」

「……どうする?」

「は?」


 斗真は無計画過ぎる二人に呆れてしまった。

 だが、逆にそんな姿に謎の安心感を感じてしまっている。


 そのせいで、斗真の感情は渦を巻き、思考はまとまらない。


 不安定な状態だ。


「……いい所あるわ」


 突然、聡が閃く。


「おい!、サボる所に最適な場所があったぞ!」

「……どこだよ?」


 斗真のその言葉を聞いた聡はニヤリと笑う。


「……保健室だ」


 聡はキメ顔で言った。



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