第205話 苛立ち

「……み…つけた……虫」


 少女は学校の外からある景色を見ていた。


 視界の先には男女三人組、とても仲良しそうで、雰囲気もいい、そんな三人組が校舎から出てきて、話しながら体育館裏へと向かって行った。


 そんな光景を学校の外から、見てしまった、少女は怒りがこみ上げてくる。


「……虫……よりつ…いてる…殺ら……なきゃ……やらなきゃ……」


 少女は手に持っていた、ある物を強く握りしめた。


 足は怒りで震え、瞳は更に血走る、そして、歯をくいしばり過ぎて、ギギと大きな音が出てくる。


「…………………………は!」


 視界の先で起こったのは体育館裏に入る瞬間の光景──。


「…あの……女……触り…やがっ…た」


 余気魅が斗真を軽く叩いていた。


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