第204話 全力否定

 斗真が人数分のジュースを抱えてやってきた。


「ほれ、ジュース……お前ら、俺がいない間、なんの話してたんだ?、随分楽しそうだったけど?」

「世間話よ……副会長が心配ねぇ~って」


 余気魅は嘘をついた。


 斗真はチラリと聡の方を見る。


「何だよ?」

「いや、お前らが世間話とか言う時って大体は嘘ついてる時が多いから……」

「何よ?、嘘なんてついてないわよ?、ね?、聡」

「あぁ、嘘なんてついてないぞ?」


 聡も余気魅と同じ様に嘘をついた。


「……そうか」


 斗真は少し疑いながらも、頷いた。


「絶対、何かあると思うんだよな~」

「「だから、ないって!!」」


 二人は全力、大声を出して否定した。


「お、おう」


 斗真はその圧にまたも負けてしまった。

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