第201話 不満

「なぁ……余気魅」

「なに?」


 体育館裏に向かっている時、斗真は余気魅に声を掛けた。


「……お前、瑠衣に十人も護衛付けたんだってな、あれ嫌がってたぞ?」

「あら?、そうなの……でも仕方ないのよね」

「は?、なんでだよ?」

「それは……」

「それは?」


 話の途中、余気魅の言葉が詰まる。

 いや、何かを言おうとしたが、直前で踏みとどまった様にも見える。


「……ナルホドナ」


 聡は何かを察したようだ。


 だが、斗真は何もピンと来ていない、だから、余気魅に問い続ける。


「…不審者よ、不審者……副会長を襲った…だから、しばらくは護衛は外さないから!」


 余気魅はそう言い放ち、歩いて行ってしまった。


「何だよ、アイツ……」


 斗真は不満を抱く。

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