第198話 母と義父

「帰ったよ」

「…おかえりなさい」


 お昼時に義父が帰ってきた。


 帰ってきた、義父は別人の様だった。

 顔は暗く、スーツは崩れ、髪の毛もボサボサだ。


「……大丈夫?、少し休んだら?」


「いや、すぐに行くよ」


 そう言った瞬間、義父が倒れた。


 母はすぐに義父の元に走った。


「ソウスケさん、大丈夫ですか!?」


「大丈夫だよ」

「お願いです!、今は休んで下さい」

「それは出来ない」

「何でですか?」


「瑠愛は今もどこかで辛い思いしているんだ……だから、早く見つけてあげないといけないんだ」


「で、でも……」


 義父は立ち上がり、扉の前に立つ。


「心配するな…私は大丈夫だ……それより瑠愛は必ず連れて帰って来るから」


 そして、義父は家を出て行った。

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