第190話 暗い雰囲気

「……ハァ…ただいま~」

「あ、おかえりなさい、義兄さん」

「あぁ、ただいま……瑠衣」


 家に帰ると瑠衣が迎えてくれた。


「なんか、疲れてる?、走って帰っきたの?」

「あ、あぁ~ちょっとな……聡達とな、食後の運動をしてきたんだよ」

「そうなんだ……」


(言える訳ないよな…余気魅を怒らせて、町内を全力疾走して逃げ回ってたなんて……恥ずかしくて言えないわ…俺)


(絶対になんかやったんだろうな……余気魅先輩でも怒らせたのかな?)


 斗真は隠したつもりだが、瑠衣に薄々気付かれていた。


「てか、義父さんと母さんは?」

「パパはまだ帰ってきてない……ママはまだ部屋で休んでるよ」

「そうか…」

「…うん」


 二人の表情は少し悲しそうだった。

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