第188話 全力疾走

「すっかり、遅くなっちゃったな」

「時間も遅いし、道も真っ暗だから、怖いわね」


「いやいや、元暴力団総長様が何言ってんだよ」

「は?、私も乙女なんだけど?、か弱い女子なんだけど?、少しは心配してくれもいいんじゃない?」


(だから不良集団をボコした奴が乙女とか、何言ってんだよ!)


 斗真は心中で思っきりツッコミをいれた。


 聡も引き攣った笑みを見せて、特に何も言わなかった。


「…なんか、言いなさいよ」

「「あ、アハハ……」」


 笑ってやった。

 余気魅は何ともお怒りだ。


「「「………」」」


 三人は互いを見合う。


「……帰るか?」

「そ、そうだな」

「…おい、お前ら」


「よし、行くぞ、聡!」

「おう!」


 斗真達は夜道を全力疾走で駆け抜けた。

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