第186話 ビクビク

 斗真達は瑠愛との思い出話から、映画の話に逸れてしまい、逆にそっちの方が盛り上がってしまった。


「……それに……メインヒロインと幼馴染みが殺り合うシーンとかはもう怖くて見てられなかったわ」

「本当……あのシーンだけはトラウマだわ」

「……それ、口コミで聞いたわ!」


「「あれはマジでヤバい」」


 三人は盛り上がっていた。


 悪趣味な映画だが、友人達と話すと共感と得られ、それに話が盛り上がっていき、楽しい。


 そして、ここからって言う所で近寄ってくる、人の姿があった。


「……お客様~」


 店員さんだった。


「はい?」

「申し訳ありません、当店、まもなく閉店のお時間ですので、申し訳ありませんが……」


 店員はどこか、ビクビクしていた。

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