第173話 暗闇と目覚め

「……」


 瑠斗は暗い夜道を歩いていた。


「…あんな純粋な子にスリルを求めるなんて……瑠愛さんも恐ろしいな」



 瑠斗はクスッと笑った。


「………ソウカナ?」


 突然、背後から、声が聞こえた。

 とてつもなく、暗く恐ろしい圧のある声だった。


 瑠斗は後ろを振り返る。


 そこに居たのは変わり果てた生徒会長……髪はボサボサになり、瞳は真っ赤に充血し……涙の雫が頬を流れていた。


「……ずっと待ってたよ」


「え?」


「私は……お前のせいで……斗真に…捨てられたんだ……」


「……え?」


「許さない……許さない許さない許さない……」


瑠愛が近づいてくる。


「何を言って……」


 グジャッ!


 次の瞬間、瑠斗は気を失った。


「言い訳は…後で…聞くよ……瑠斗」

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