第170話 謎の違和感

「今日の授業はここまで、皆よく復習しておくように」


 そう定番の台詞を残して、先生は教室を出て行った。


 先生が教室を出て行った瞬間、何か強い束縛から解放された様な気分だった。



「斗真~早く準備して……」

「んぁ?」

「んぁ?、じゃないわよ!」


 寝ようとしていた所を余気魅に起こされる。


「お、おい!、や、やめろ!、聡!」


 次の瞬間、聡に体を揺らされる。


「分かったから、起きるから!!」


 斗真は無理やり起こされてしまった。

 あの、最高の解放感から一気に現実、いや、束縛感に引き戻されてしまった様な気分だ。


「私達は教室の外で待ってる」

「早くしろよー」

「あ、あぁ…」


 二人は足早に教室を出て行った。


 斗真はその様子に違和感を感じた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る