第169話 ギリギリ

「お前、ギリギリだな~」

「あぁ」

「どうした?、朝より元気なくなってんぞ?」


 聡は斗真の様子の変化に気が付く。


「なんか、あったのか?」

「……副会長と話してきた」

「は?」

「昼休みにバッタリ出会ってな、ちょっと話をしてきた」


 その言葉に聡は驚いていた。


 斗真の行動力、そして、そんな見知らぬ相手の誘いをホイホイ受けて、よく疑いもせずに素直に付いていける斗真に驚いていた。


「……それで何か聞けたのか?」

「…色々と聞いたよ、衝撃発言の連発だった」

「マジか?」

「マジだ!」


 斗真はある意味、冷静だった。

 普通に混乱もしているが、頭は正常に動いていた。


(明日、また瑠斗先輩に話に聞くか……)


 斗真は机に伏せた。




「…………瑠愛」

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