第166話 鈍感?

「す、すみません!」

「ん?、何かな?」


 斗真は話の途中で質問をぶち込んだ。


「もう一度、確認させて下さい、先輩って昨日まで付き合ってたんですよね?」

「あぁ」

「でも、二人の認識は違ってて、先輩はずっと付き合ってるって思ってて、瑠愛は既に別れてるって思ってたんですよね?」

「あぁ」


 なんて冷静で落ち着いた返事なんだ。


「それっておかしくないですか?」

「何が?」

「だって、先輩と瑠愛で互いに対する認識が違うんですよ?」

「そうだね……」


「だとしたら、絶対に所々で食い違いますよ?」


「……気にしてなかったな」


(いや、絶対に嘘だろ!!)


「先輩、そうだとしたら鈍感ってレベルじゃないですよ?」


「……」


 先輩は黙ってしまった。

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