第151話 言葉

「無理っぽいな」

「……ぇ」


 斗真は椅子から立ち上がり、扉に向かって行った。

 その時、瑠愛は震えた手を伸ばしていたが、斗真は気が付かない。


「瑠愛」

「……!」

 斗真は扉の前で振り返った。

 視線の先には瑠愛が震えている。


 それに斗真の呼び掛けに対し、異常な程に怯え、今にも涙を流しそうだ。


「……悪かった」

「……ぇ?」

「あん時は俺も一方的過ぎたとは思う」

「……」

「でも……俺はお前を許す事は出来ない」

「……ウン、ワカッテル」

「……」


 瑠愛は震えながら、呟いていた。

 何を言ってるかは聞き取れないが、反省している事は分かった。


 許す事は出来ない……。


「……じゃ!」


 斗真はそう言って部屋から出て行った。































 そして、瑠愛は姿を消した。

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