第150話 ボソボソ

「………」

「………」


 地獄……今この空間には相応しい言葉だろう。


 あの後、義父から提案され、それは一分で実行された、そして強制的にリビングに二人っきりにされた。


 そこから、リビングは地獄と化した。


 会話もなく、相手を見ようともしない、それに空気は重々しい、冷たく、押し潰されそうな雰囲気が辺りに漂っていた。


「……ゴメン」

「……あ?、今なんて?」


 瑠愛が何か呟いたが、声が小さく、それにプラスで早過ぎて聞き取る事が出来なかった。


(コイツ、話せる状態じゃねーじゃんか、あのージジィ性格悪いな)


 斗真はチラッと瑠愛の方を見る。


「ゴメン…ゴメン…ゴメン…ゴメン…ゴメン」


 瑠愛はずっとボソボソ何かを呟いていた。


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