第146話 始めに……

「まず、初めに私から斗真君に伝えた事がある」

「……何でしょうか?」


 義父は申し訳なさそうな顔をし、椅子から立ち上がった。

 その立ち姿は普段見ている義父とは別人の様で男らしく、格好良い、それに何よりも真剣な眼差しで斗真を見つめていた。


 下ネタ大好きセクハラ親父とは思えない。


「斗真君、娘が……瑠愛がすまなかった!!」

「……え?」

 突然の謝罪だった。


 その姿を見た斗真は戸惑う。


「お、義父さん!?、な、何を……!?」

「瑠愛から全て聞いたよ……君との関係、瑠愛が君にしてしまった事も君の過去も…全て」

「……え?」


 義父の言葉は衝撃的だった。


「る、瑠愛……話したのか?、全部?」

「……ごめん」


 その瞬間、斗真は崩れ落ちた。

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