第145話 変わり果てた姿

「……」

 リビングは重々しい雰囲気だった。

 部屋に入った瞬間に感じる、異常な冷たさ、押し潰されそうになる程の雰囲気、何とも居心地が悪い。


「……斗真」

「……」

 部屋に入って来た、斗真を見て瑠愛が声を掛けた。

 彼女の姿は変わり果てていた、目元は真っ赤になり、瞳には光が宿っておらず、いつもの彼女の面影はなかった。


「斗真?」

 瑠愛の呼びに応えなかった、斗真を不思議に思ったのか、瑠衣が顔を覗き込む。


「チッ………チカヅクナ」


「いや、何でもない」

 斗真は瑠衣にそう伝え、両親、瑠愛が座っているテーブルの方を見た。


「まぁ、二人とも座りなさい」

「はい」

「うん」


 二人は父に言われ、椅子に座る。


「では、第一回家族会議を始める!」

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