第142話 動く
「瑠愛!」
「……」
部屋の中で蹲っていると、外から父親の声が聞こえてきた。
部屋は暗闇、その中でも聞こえてくる優しい声、一筋の光を放っていた。
「お父さん?」
「少し話がしたいんだ」
「話?」
「えぇ、瑠衣ちゃんが心配してたわ」
「……」
父の声と一緒に義母の声も聞こえてくる。
「瑠衣が?」
「えぇ」
瑠衣の名前を聞いた瞬間、瑠愛の心が締め付けられる。
(妹に心配されるなんて……情けないな、私)
だが、それが心を動かす。
顔は涙で酷い顔になっている。
だが、顔を一切気にせず、酷い顔のまま部屋の扉を開けた。
「……入って」
「あぁ、邪魔させてもらうよ」
「……」
「義母さんも……」
「あ、ありがとう」
瑠愛の部屋に両親達は入って行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます