第140話 ぐちゃぐちゃ

「ただいまー」

「あ!、おかえりなさい、瑠愛姉」

「あぁ、瑠衣、ただいま」


 家に帰って来ると、すぐに瑠衣が迎えてくれた。


「どうしたの瑠愛姉、なんか元気ないよ?、それに目も真っ赤だし…何かあった?」

「……」


 この時、瑠愛はチラッと瑠衣の方を見る。

 妹は心配してくれている、彼女がこちらに向ける視線は優しく、とても痛いものだった。


 ここで全てを話したら、楽になるだろうか?

 瑠愛の頭の中はぐちゃぐちゃしていて、まとまらない。


「……何でもないよ、心配しないで」

 瑠愛は瑠衣の頭を優しく撫で、すぐに二階へと上がって行った。


「……瑠愛姉」

 瑠衣は心配の視線を向け続けた。


「……言えないよね」

 瑠愛はボソッと呟き、一粒の涙を流した。

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