第137話 温もり

「彼女さんに振られちゃったのか……」

 結局、斗真は瑠衣にされた事、全てを話した。


 話したくはなかったが、あそこまで見つめられて、話せという声圧をかけられたら、流石に今のボロボロメンタルでは耐えきれなかった。


「……それで泣いてたの?」

「情けないですよね、振られただけでこんなになって……」

 溜まった事を話したせいか、斗真の心は開きっぱなしだった。


「まだ好きなんすよ、アイツのこと」

「……うん」


 急に瑠愛は斗真の頭を撫でてきた。


「え?」

 驚いたが、すぐに斗真はその手は温かさと優しさに包まれてしまった。


「斗真君、よく頑張ったね、今は思いっきり泣きないて、全てを吐き出しなさい」


 その言葉を受け、斗真は再び涙を流した。

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