第135話 自己紹介お姉さんのターン

「じ、自己紹介って何言ってるんですか?」

 斗真はその女性の提案を拒否した。


「だって君、赤の他人には教えてくないんだよね?、だったら自己紹介でしょ?、名前を教え合ったらそれはもう他人じゃなくて知り合でしょ?」


 女性は諦めなかった。


(何言ってんだよ、馬鹿かよ!)


 苛立った斗真はチラチラと怒りの籠った瞳を向けた。


「ん?、なにチラチラ見てきて……あ!、もしかして恥ずかしいの?、仕方ないなぁ~これはお姉さんからやりますか~」


 向けた瞳の意味が伝わる事はなく、逆に勝手な解釈をされ、自己紹介を始めた。


「私の名前は鈴原 瑠愛……魁皇心義かいおうこころぎ高校の三年生、生徒会長よ!」


 瑠愛は仁王立ち自己紹介をキメた。


(…この人、先輩かよ!)

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