第134話 警戒

 そこに立っていたのは一人の女性だった。


「……君、大丈夫?」

 女性は近づいてきて、顔を覗き込んでくる。


「!」

 斗真はその女性の顔に見とれてしまう。


(なんて美しい人なんだろう、瑠衣とは違う大人の魅力がある……それに何故か落ち着く)


「……お姉さんに教えてくれない?」

「は?」

 女性は身を乗り出してきて、斗真を問いただす。


「教えませんよ、なんで他人の貴女に教えなくちゃいけないんですか?」


 斗真は見とれていたが、彼女の言葉を聞いて、すぐに警戒体勢に入った。


「じゃあ他人じゃなかったら、教えてくれるの?」

「は?」


 その解釈の理解が出来なかった。


「じゃあ~自己紹介しない?」

「は?」


 彼女は少し変わっていて、頭が狂っていた。

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