第108話 衝撃

「てかさ、先輩って何者なの?」

「え?」


 瑠衣の質問の意味が分からなかった。


「だって、先輩、凄く運動神経良くない?、それに何か喧嘩とか強いし……昔何かやってたのかな?」

「それは……」


 斗真は質問に答えられなかった。


 それには理由があった、口止めされている。


(どうしようかな?、口止めされてるし言わない方がいいよな、てかバレたら後々で俺が処されるし、てか、瑠衣なら言っても言っても大丈夫なんじゃ?、いや、言うとしてもなんて言えばいいんだ、アイツ昔──)


「─暴走族の総長だったんだよ」

「え?」


 考えていた事が口から漏れてしまった。


「あ!」

「……マジで?」


 斗真は小さく頷き、そのまま下を見た。


(あ……人生終わったわ)

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