第109話 怯え

 斗真はビクビクしながら、二年棟に戻ってきた。


(まぁ、瑠衣なら誰にも言わないだろうし、別にいいか……)


 斗真は瑠衣に余気魅の秘密を話してしまった後、頭を下げ、誰にも言わないようにお願いした。


(あぁ~マジでどうしよ)


 トホホ~と暗い雰囲気を放ちながら、廊下を曲がった。


「あっ!、斗真」

「うぇ、余気魅!」


 曲がった先に余気魅が立っていた。


「うぇって何だよ?、ボコすぞ?」

「い、いや、な、なんでもない!」

「ホントか?……まぁいいか、つか生徒会長がアンタを探してたよ?、何か用があるんだって」

「瑠愛が?」

「えぇ」

「マジで、じゃあ早く行かないとな!」


 そう言って、斗真は瑠愛の元へと走って行ってしまった。


「……単純な奴」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る