第107話 先輩

 昼休み、斗真は一年棟にやって来ていた。


「てな訳で、あの噂が余気魅が俺達を気遣って流したらしい……」

「そ、そうなんだ……」


 斗真は瑠衣を教室の外に呼び出し、先程、余気魅から聞いた事、全てを話した。


 余気魅は何とも複雑な表情を見せた。


「てか、先輩の行動力凄くない?」

「まぁな、アイツは昔からそうなんだよ、だから空回りと、お節介とか揉め事とか多くてな……多分、今回もそんな感じだと思う」

「そうなんだ」


 瑠衣はアハハとから笑いした。


「まぁ、悪気はなかったんだし、今回は私達を気遣ってくれってやってくれたって事だよね?」

「あぁ」


「なら、先輩にありがとうって伝えないとね!」

「……そうだな」


 斗真と瑠衣はクスッと笑った。

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