第102話 ド直球

「……ごめん」


 斗真は瑠衣に謝った。


「ううん、いいの……でもちょっと気になるよね」

「あぁ」


 二人にその噂の真実は分からなかった。


(アイツらに聞いてみるか?)


 なので斗真は明日、二人に聞いてみる事にした。


「てかさ、斗真ばっかり狡くない?」


 話が終わった後、またすぐに瑠衣が口を開いた。


「何が狡いんだよ?」

「だって、さっきから斗真ばっかりが質問して、私に全然質問させてくれないじゃん!」


「そんな事は──」

「あるの!、だから、罰として私の質問に答えて!」


 瑠衣がビシッと人差し指を向けてきた。


「……わかったよ」


(どうせ、大した質問はこないだろ……)


「斗真は今、彼女……いるの?」


「は?」


 急で何ともド直球な質問だった。

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