第97話 切れた音

「「……」」


 瑠衣は斗真を屋上に呼び出した。


 屋上は瑠衣が斗真に告白をした思い出の場所だ、あの時は暖かい夕日の光が輝き、温かい雰囲気が包んでくれた日だった。


 ……でも、今日は違う。


 空は暗く、凍り付くかのような冷たい雰囲気があの日とは真逆だった。


「瑠衣、話って?」


 斗真はいつも通りに話掛ける。


(急に呼びして来たって事はなんかあるのか?、ま、まさか、お家デートのお誘いとか?、ま、マジで!?)


 斗真は顔はいつも通りだが、心の中は大興奮。


 でも、瑠衣は違った。


「ねぇ、って浮気してるの?」


「え?……してないけど?、どうしてたよ急に」


 斗真は冗談だと思って笑っしまった。


 プツッ


 その瞬間、何かが切れる、嫌な音がした。

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