第94話 証拠

「ねぇ斗真の所に行くんじゃないの?」


 瑠衣が連れてこられたのは体育館裏だった。


「……ねぇ、何のつもりこんな所に連れてきて、話が違──」


 ガチャ!


「え?」

「…見な!!」

「……」


 そう言われた瑠衣はスマホを拾い、恐る恐る画面を見た。


「え?……な…な……なに…コレ?」

 スマホの画面を見た瞬間、瑠衣の顔は青ざめ、強い怒り、吐き気を感じた。


 そして、瑠衣の体は怒りでプルプルと震え始めた。


「ねぇ、説明してよ……この写真は何?」

「ふふっ…それが私達の言う、浮気の証拠よ」

 そう言ってリーダー格の女子が笑う。


「……そ、そんな」


 全身の力が抜けていく。


(嘘だ……嘘だ…斗真君が……浮気だなんて…嘘だ)


 瑠衣の瞳からは涙が流れた。

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