第81話 顔面

「さぁーどうする?」


 二人の目の前には瑠衣を盾にする親玉の姿があった。


「女を盾にするとか引くわー」

「それな~」


 聡は煽る。


「てかさ、気づかないの?」

「は?、何がだ?」

「ん!」


 聡は足元に指を指し、視線を誘導する。


 「!」


 親玉が足元を見ると瀕死状態の斗真の姿があった。


「今だ!」


 聡の合図で斗真は力を振り絞り、親玉の腰に飛び付いた。


「!」

 親玉は焦る。

 この時、親玉は右腕で瑠衣を抱え、左手で斗真を剥がそうとした。


 そのせいで、親玉の顔を守るものはなかった。


「チャンス!、動かなないで!」

「え?」


 グシャ!


 声掛けられた、数秒後、親玉の顔面は余気魅の飛び蹴りによって崩壊した。


 この時、斗真は何が起こったか分からなかった。

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