第57話 本日二度目
「ねぇー斗真、ここの問題教えてよ」
「は?」
斗真の所に一冊のノートを抱えた余気魅がやって来た。
「分からない問題でもあるのか?」
「そうよ」
斗真は余気魅を煽るような態度をとった。
こんな態度をとるのには理由がある、斗真と余気魅は学年テストで常にトップを争うライバル関係なのだ。
だから、そんな相手に助けを求めるなんて、正直なところ反吐を吐くのと同じくらい嫌なのだ。
「それで、どこが分からないんだぁ?」
「チッ……ここよ!」
彼女はある問題を指さした。
「簡単な問題じゃん」
失言だった。
「斗真……」
「ん?、何だよ?」
「アンタのそういう所、本当に嫌い!」
「は?、何言っ、ちょ待っ」
斗真は本日二度目の羽交い締めを喰らった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます