第54話 日常

「それじゃ、また後でな」

「えぇ、また後で!」


 斗真と瑠愛は下駄箱で分かれた。


 そして斗真は教室へと向かった。

 その間、すれ違う何人かに「よっ!」と軽く挨拶していた。


 斗真は話す知り合い自体はクラスメイトと他クラスに数人程度しかいないが、よっ友もの数はとんでもなく多い。


 それが斗真の唯一の自慢だ。


(…お!、聡じゃん)


 階段を上がると丁度いい所に聡が歩いていた。

 それを見ると斗真は先程の瑠愛みたいに走って彼の元へと向かった。


「おーい、聡!」

「ん?、あぁ~斗真か、おっすぅ~」


 相変わらず、聡は眠そうだ。


「眠そうだな?」

「オールしたからな」

「マジかよ!」

「マジマジ~」


 この何気ない会話が学校生活の中で一番、楽しいのだ。

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