第53話 偽りと極悪人

(……部活ダルい)


 朝練はとにかくダルかった……朝から大量の汗を流し、喉が痛む程の声を出さなければいけない、この環境が私は大っ嫌いだった。


 入部当初は監督や先輩達も優しく、明るい雰囲気だったのに、それは全てを偽りだった。


 全ては新入生を騙す為に作れれた巧妙な嘘だったのだ。


 それにここの部員達は性格が悪い。

 入学式後、すぐに彼氏が出来た私にはとことん冷たかった。


「瑠衣~昨日の合コンの話なんだけど~」


 それに元彼と別れた日から、周りの奴らは男紹介しろ、交友の場を作れとうるさく言ってきたのだ。


 その中でも特に嫌な奴が……。


「え?、何かあったんですか、先輩?」


「いや~実はね~」


 西園寺 余気魅、コイツは極悪人だ。

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