第52話 約束

「ねぇ、昼は一緒に食べない?」

「えっ……どうしたんだ急に?」


 家を出てすぐの誘いだった。

 斗真は誘いに戸惑ったが、断る理由もなく、逆に嬉しかった、彼女に昼食を誘われたのだ、これ程までに幸せで嬉しい事はない。


 だから、斗真は直ぐにその誘いを受けた。


「よし、じゃあ昼に生徒会室に来て」

「せ、生徒会室?、普通に食堂でいいんじゃ?」

「何言ってんの!、イメージっていうのがあるの!、生徒会長は食堂で昼食を食べないの!」


(そんなイメージはないと思うけど?)


 斗真は内心そう思いつつ、アハハと笑って流した。


 だが、そのせいで瑠愛に変な熱が入ってしまった。


(あぁ~始まったな)


 瑠愛は学校に着くまで、永遠に自分の事を語っていた。

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