義妹と俺。

第50話 後悔と否定

(何で斗真があの噂を知ってるのよ……知られたくなかったのに)


 瑠衣は斗真の事が好きだった。

 入学式にすれ違った時にあの格好良さに一目惚れしたんだ。


 次の日から瑠衣は斗真に熱いアプローチを始めた。

 最初の頃は彼も警戒していたが、アプローチを続けていたら、自然と話せる様になっていた。


 気が付いたら二人は両思いだった。


(あの時は幸せだったな…)


 瑠衣は当時の思い出を振り返る。


 一緒に帰った帰宅路、応援に来てくれたバスケの大会、二人で行った夏の海、挙げればキリがない程に半年で沢山の思い出を作った。


(私……あの頃に戻りたいよ)


 瑠衣は斗真を振った事を後悔している。


(でも、許せない)


 斗真に捨てられた事だけは許せなかった。

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