第49話 考え

(瑠衣……俺がお前を捨てたのか?、俺はずっとお前に捨てられたものだと思ってたのに……)


 何が正解で、何が不正解なのか、分からなかった、勉強で対して苦労した事はない、失言は多いものの友人関係で荒れた事は一度もない……でも瑠衣は違った。


 付き合っていた時の斗真は瑠衣に尽くしていた。

 毎日努力して、寝落ち通話もした。

 それに彼女は一緒にいる時だけ幸せそうな笑顔を見せてくれた。


 その笑顔が斗真にとっては癒しだった。


 でも、振られたあの日から、あの笑顔も思い出も全てがトラウマで思い出したくないものになっていた。


(……話すべきなのかな?)


 斗真は悩んでいた。


(俺は瑠衣とどうなりたいんだ?)


 何が正解なのか分からなかった。

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