第36話 夕暮れの帰宅路【3人目】

「今日は疲れたわねぇ~」

 瑠愛は腕をぐぅーと上に伸ばした。

 なまったカラダが目覚めていくのを感じる。


「会長、お疲れ様でした」

「えぇ、お疲れ様」


 校門前で他の生徒会役員が帰るのを見届け、全員が下校したのを確認し終えると、瑠愛も鞄を手に取り、家へと向かった。


(今日も遅くなっちゃったな……はぁ~早く生徒会長辞めたなぁ~解放されたーい、それで早く斗真と一緒に帰りたいよ……)


 瑠愛は純粋に斗真と一緒に帰りたかった。

 普通に恋人みたいな事がしたかった……でも生徒会の仕事があるせいで、二人は一度も恋人らしい事が出来なかった。


「……明日は一緒に登校しようかな」


 少し肌寒い風が吹く、夕暮れの帰り道、そんな中で彼女は呟いた。

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