第32話 鬼

「アンタら、うるさい!!」

「ん?」

「えっ!?」


 俺達が揉みあっている所に一人の女子生徒がムッとした表情で向かってきた。


「何だよ、余気魅よぎみ

「何だよ、じゃないでしょ!、アンタら騒ぎ過ぎなのよ!」

「そんなにか?」


 斗真はチラリと聡を見ると聡も斗真の方を見ていた様で互いに意思疎通し合い、そこまでうるさくはない……で考えがまとまった。


「いや、そこまでは……」

「いや、かなりうるさいわよ、アンタらのせいで落ち着いてご飯食べられないじゃない」

「いや、そこまで……うるさくないと…」

「あぁ?」


 余気魅が鬼の形相で二人を睨みつけた。


「なんて?」

「「うるさくして……申し訳ありません」」


 斗真と聡は余気魅に逆らう事は出来ない。

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