第31話 煽り合い
「テメェ!、後悔しろよ!」
「イテテテ……ギブギブ!」
斗真は聡の頭に拳骨を押し当てていた。
その間、聡はずっと「ギブギブ」と言っている。
「許さねぇよ~ぜってぇにな!!」
「お前、器小さすぎるだろ!」
「はぁ?」
更に煽られた斗真は怒り任せに拳に力を込め、先程よりも強い力の拳を聡の頭に押し付けた。
強さと痛さはかなり強烈で煽っていた聡もついには言葉を発せずに痛がっていた。
「降参かぁ~?」
「降参だって!!、さっきからずっとそう言ってんだろ!!」
「ようやく観念したか、聡?、大した事ねぇな」
今度は斗真が聡を煽りだした。
その姿はまるで───子供。
「……ガキかよ?」
「は?、何だって?」
斗真はまたイラッとしてしまった。
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