第27話 意識

(顔が赤いって、そんな訳ないでしょ)


 瑠衣は自分の頬を触った。

 熱い……頬を触る手から強い熱さを感じる、その熱さは手から全身へと伝わっていく。


「…な…い…から」

「ん?、なんて?」

「赤くなんてないから!、揶揄うなよ、ヘタレ野郎!!」


 瑠衣は緊張を隠す為に怒鳴りながら、斗真を思いっきり突き飛ばした。

 その衝撃で斗真は体勢を崩し、転んでしまった。



「………」

「瑠衣?」


 瑠衣は冷たい視線を向けてくた。

 その視線に斗真はゾクッとする。


「さっきはありがとう……じゃあ」

「お、おい!」


 そう言い残して瑠衣は行ってしまった。


(アイツ、ヘタレの癖に妙に鋭いんだから!、ムカつく)


 瑠衣はプルプルと身を震えながら教室へと戻って行った。

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