宮崎駿と手塚治虫

ジュン

第1話

「宮崎駿監督は知ってるだろう?」

「ジブリのアニメーション監督だろう」

「宮崎駿監督は、『二馬力』ってスタジオの社長なんだよな」

「へえ。二馬力って、ずいぶんと弱々しいな」

「そこに宮崎監督の哲学があると思うんだ」

「というと?」

「馬、二頭いたら、馬耕ができて、農業ができる。食べていけるだろう。それで十分じゃないかっていう哲学」

「……なるほどね」

「一方の手塚治虫の鉄腕アトムは100万馬力だろう」

「だったね」

「100万馬力なんて迷惑だよな。暴走したらどうするんだよ」

「アトムは意気揚々としてるけどな」

「だから困るんだよ。自覚がない。まるで独善者だ。これは、ブラックジャックのキャラにも共通してる。手塚さんの独善性だ」

「なるほど」

「だから、僕は二馬力の哲学に賛同するんだ」


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宮崎駿と手塚治虫 ジュン @mizukubo

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