1-6

 花音から離れて、カイリは校門に近づく。人混みを掻き分け、もっと前に行こうとしていると、ふと、視線を感じた。


「にゃああああ!」


 ビー玉みたいな青い瞳。

 短い尻尾をぴんとたて、灰色猫が塀の上で、四つ足で悠然と立っている。


「な、なんだよ?」


 灰色猫は、カイリをじぃぃぃと見ながら、にゃ! と話しかけてきた。

 人間って、面白いな!

 ……なんとなく、そんなふうに言われた気がして、友達になれそうだと思った。

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